夕さりの風と閻魔さんと お香の会 ~千本ゑんま堂~

京の今日は
最高気温 27.5℃


金曜の仕事帰り
友達と待ち合わせて行った夜のイベント

場所は、市バスのバス停・千本鞍馬口と乾隆校前の中間
高野山真言宗のお寺、引接寺(いんじょうじ)
通称 千本ゑんま堂 の名で知られています

夏の夜間特別祈願会
  風祭り  7月1日~15日 午後7時開扉

夕さりの涼しい風と風鈴の音
殺風景と言うと申し訳ないけど
千本通の西側の商店街に控えめに佇む ゑんま堂

この奥が本堂
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灯のともった提灯のお出迎え
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提灯の下に吊るされた風鈴も涼やかな音色でお出迎え
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この先に閻魔様がおられます
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本堂前の賽銭箱の真上にある『萬倍椀』
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たとえば
壱円のお賽銭を椀の中に入れると壱円が壱萬円になり
ご利益が壱萬倍になるとのこと
このお椀は閻魔様のお湯飲みだそうですよ
欲深い私は、拾円でチャレンジするも 椀の左右しか届かず
戻ってきては投げ 戻って来てはなげ、最後は賽銭箱にポトリ

鐘を突いて手を合わせ 「なむ~~」
見上げると閻魔様がおられました
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この後、お堂に入って直々にご対面させていただくことに…

その前に梶の葉祈願
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梶の葉は唯一 墨で文字が書ける葉だそうで
笹に短冊を吊るす七夕飾りになる前は、梶の葉に墨で恋歌を書き
小たらいに浮かべて月を映すと
その恋は成就すると伝えられていました

そう言われても、もう、わたくし『恋しい』人はおりませぬ
『恋』と言う言葉が似合わなくなった今
「こい」は「こい」でも池の鯉でもなく、『濃い』方に傾いてきた感あり
歳を重ね『濃い人』になりつつあるかも
梶の葉には『恋』でもなく『濃い』でもなく 他の願いを書きました

…御堂に入る前に聞いた庵主さんのお話…
「ゑんま堂の正式名の引接寺(いんじょうじ)の『引接』というのは
 引接来迎(いんじょうらいごう)という仏教語に由来します
 『引導を渡す』という意味で、次の世界を決めていただくこと。
 それが決まらないと、生きていく上で迷いが多く
目的もみつかりません

 自分の歩む道をどの方向に行けば良いのか
 迷わずに導いていただくことは大切なことです
 ゑんま様も亡くなった人をどこへ送るか導いてくださいます
 ゑんま様は決して地獄の鬼の大将ではありません
 地獄だけでなく、極楽へ行くことも決めてくださいます

 皆さん、ゑんま様は恐い表情で地獄へ送る方と思ってらっしゃいますが
 それは違います
 ゑんま様は、怖がらせて何か聞き出そうとしているのではありません

 たとえば、我が子が悪の道へ走ったら
 お父さんはゑんま顔になり、お母さんは阿修羅となって怒るでしょう
 それは、それだけ愛情が深いからです
 ゑんま様も三悪道に絶対落とさしめてはならない
 という強い気持ちをお持ちなんです

 三悪道とは、地獄道、餓鬼道、畜生道のことで
 悪行を重ねた人間が死後に赴く3つの世界
 そのような地獄へ誰も落としたくない
 けれども中には
 地獄を見せ、ワンステップ踏まないと上にあがれない者もいます

 そういう時は仕方なく地獄へ落としますが
 それはゑんま様にはあまりにも悲しくおつらいこと…
 あまりの悲しさに怒りがワーッとこみ上げてくる…
 ゑんま様のあの表情は深い愛情から湧き上がった悲しみゆえ
 慈悲のお顔なんです
 決して怖がらすためのものではないんですよ

…続いて千本ゑんま堂の開基 小野篁(おののたかむら)卿のお話…
 「百人一首で知られる平安朝の歌人でもあった小野篁卿は
 死後の世界と現世を往来する神通力を持っており
 昼は宮中に、夜は閻魔之廰(ゑんまのちょう)に仕えたと言われています。
 
 当時、千本通りは朱雀大路と呼ばれ、平安朝の中心道路でした。
 京都は神様の都で、お公家様や神主様の都。
 そしてお隣の奈良は仏教の都と言われていました。
 その時代は、皇族やお公家様たちが亡くなられると
 葬儀の儀式があり墓所も造られましたが
 それ以外の一般平民が亡くなれば
 亡きがらはそのまま道ばたに置かれました。

 それが原因で伝染病などが蔓延し
 毎日、人がバタバタと倒れ
 人の塚があちこちにできるという大変なあり様でした。

 天下の朱雀大路が見るも無惨な姿となったため
 そこをきれいに一掃するようおおせられたのが小野篁卿でした。  
 篁卿は、なんとかしなければいけないが
 さてどうしたものかと思案をめぐらしました。
 そこで
 自分の持っているあの世とこの世を往復する神通力を使ったんです。
 夜、あの世へ行ってゑんま様に会って相談しました。

 ゑんま様は仏教と神道の中間の教えである儒教・道教の考えを持ち
 中でも十王思想という教えをお持ちでした。
 地獄道、餓鬼道、畜生道、修羅道、人間道…の
 5番目にあたる人間道の王様がゑんま様。
 亡くなった方の次の世界を決める役目であり
 十王の中でもとてもメジャーな方なんです。

 そのゑんま様の教えを受けた篁卿はアイデアをしぼりました。
 京の都を中心にすると、鬼門は比叡山と八幡を結ぶ方向。 
 その逆方向の西北と東南にゑんま様をお祀りし
 関所としてあの世とこの世のわかれ道を造りました。
 それが、朱雀大路頭にあたる所です。

 それ以降、都人は人が亡くなると
 そのわかれ道まで棺を持って行き
   あの世へとお送りするようになりました。
 棺を地下へ埋めて石を積み
 お地蔵様を置くという、現世浄化の法儀の由来です。
 この辺りは、お地蔵様だらけ。地域に根ざした信仰の表れです。
 地蔵信仰を広めたのは篁卿といっても過言ではありません」


そしていよいよ ご本尊開扉
閻魔様の前で庵主さんの有り難いお経がはじまります

梶の葉を手元に置いて合掌
ライトアップされた閻魔様は
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厳しさもあるけれど寛容さも滲み出ておられました
(画像はお借りしました)

赤色にライトアップされると、これまた迫力あり
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(画像はお借りしました)


お経が終わると閻魔さまの前に進みお焼香
その煙を梶の葉の両面にあて合掌


法要が終わったら外に出て梶の葉を吊るします
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一晩たったらこんな状態に枯れてしまい
願い事は人に読まれることはなく
閻魔様だけが目を通して下さるとのことです

そして最後は
別棟に移ってお香を楽しむ会『聞香』が始まります
茶道のようなお点前にちょっと緊張したけど
山田松香木店の方が丁寧に教えてくれはりました

この日のお香は 令和元年にちなんだ 『梅』『風』『歌垣』の三種
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三種の香をかいだあと(聞いたあと)
紙に答えを書きます
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この記号
2017年03月、国立博物館であった「香りの調度」の展示で
平安貴族の香の遊び「組香」のコーナーて見た!!
ちゃんと覚えてるやん、わたし
(しかし、初心者はこの記号無しでOK)

答えは・・・
6人中、私も含めて5人がハズレ
ただ一人正解したのは 我が友
  素晴らしい~~
もともと鼻は効く方やったけど、この場で聞き分けるとは
  お主 タダ者ではないな
改めて尊敬致しました~~~
ご褒美に折り紙貰って「ええ記念になりました」と満面の笑み
私も誘った甲斐があったというもの

最後に70代後半の可愛らしい庵主さんと3ショットをお願いして
千本ゑんま堂をあとにしました


小野篁卿と閻魔様に出会う 風鈴とお香の夕べ
    風祭り
来年のこの時期は是非 千本ゑんま堂に行ってみてください
事前予約した方がいいと思います
会費は2000円

閻魔様はもちろん
この世とあの世を風に乗って移動したことを表した
着物の裾がなびいた小野篁像も見所です
そして梶の葉も…

受け付けは6時半から
開始時間は、篁卿があの世に出勤した時刻の 夜七時となってます
静かな京の夜を満喫できるかと思います


2019.7.15 今日も最後までお付き合いありがとうございました
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